calantheの風景

谷町四丁目の日々の風景。


住宅改修が進んでいる。

古い素敵なリビングの板張り天井は、そのまま残している。
キッチンとリビングの間にあった造り付け収納は、空間を圧迫してたので取り払い、広く気持ちのいい空間になるだろう。
リビングの天井は、薄い茶色。
キッチンの天井は、白。

その境目に見切り材を取り付ける。

薄茶色と白を、杉の木で調和する。
赤い芯材と、白い白太の混ざった板を探す。
源平と呼ばれるその部分が、自然な線をつくり、ふたつの色を調和する。

吉野杉のそんな部分を買い求める。
吉野杉、奈良県の山深いところに、500年も前から山の人は、木を植え、今も植え続けている。

出会った板は、わずか10cm幅の中に無数の年輪を刻んでいる。
それはそれは、大きな木だったんだろうと、真っ直ぐに伸びる年輪を撫でて想う。

昨日のような雨の後、吉野の山は、深い霧に包まれているだろう。
雨の上がった、そんな今頃の夜には、蛍がたくさん舞うだろう。

いつか、篠山での仕事のあと、蛍を探しに夜道を走った。
川辺りで、光る蛍を網で捕まえ、家に持ち帰った。
電気を消して、蛍の光を楽しみ、次の日に、近くの山に放った。

梅雨時期の雨が降ると、そんなことを思い出す。
いい大人が、網を片手に走り回る。

しとしと雨は、緑を濡らし、
緑は、香りを放つ。

雨が嫌いな人がいる。
雨が好きな人もいる。

僕の父も、僕と同じように、バケツ一杯に蛍を持って帰って来てくれたことを、
今でも、覚えている。

深緑色の帆布のバケツに、たくさんの蛍と、アジサイの花。






  1. 2018/06/08(金) 01:26:55|
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